2013年5月29日水曜日

目のしくみ、その2(16)

前回のつづきです。

光を電気信号に変換する視細胞には、感度は高いが色を識別できない桿体細胞と、感度は低いが色を識別できる錐体細胞があります。この2種類の視細胞によって、網膜に写る物体の色や形を認識します。

図 網膜の構造

桿体細胞にはRhodopsinという化学物質が存在します。RhodopsinはRetinalとOpsinという部分から構成され、Retinalが光によって変化します。この構造の変化を脳が認識し、物体を見ることができるのです。


図 レチナールの構造変化

色が認識できる錐体細胞には、iodopsinという化学物質が存在します。iodopsinもRetinalとOpsinからなる構造を持ちますが、Opsin部分がそれぞれ異なります。iodopsinにはopsinの構造の異なる3種類が存在し、それぞれ赤・緑・青の光を感じることができます。この3種類の錐体細胞が受け取った刺激から、脳が何色なのかを判断します。

では、赤、緑、青以外の色はどのように認識するのでしょうか。例えば、黄色の光の場合、赤と緑の錐体細胞が刺激を受けます。すると、脳はその光が黄色であると判断します。そのため三原色を混ぜると、中間色が見えるのです。黄色以外の中間色も同様に色を判断します。

私たちは赤(R)・緑(G)・青(B)の光を主に感じる3つのセンサーで色を見ているのです。