通常、グリスなどの粘性の高い試料は、窓板に塗り、組立セルにホールドして測定します。また、粘性の低い垂れやすい試料の場合は、窓板に挟み、組立セルにホールドして測定します。しかし、これらの方法で測定を行うと、窓板で試料が固まると洗浄が大変であったり、窓板自体が比較的大きく、貴重な試料を多く使用してしまうということがあります。
図 KBrプレート(3×3×0.5mm)を窓板として測定
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そこでKBrプレート法の登場です。試料のセッティング自体は従来法と同じですが、KBrプレートがディスポーサブルなため、測定毎に窓板を洗浄する必要がありません(時短、省溶媒)。さらに、本方法では、また、試料のサイズはφ3(通常はφ10)で測定できるため、1μL程度の試料があれば測定が可能となります。
KBrプレート法と従来法の測定例を図に示します。従来の測定と同様のスペクトルが得られていることが分かります。本方法を用いれば、試料のセッティングの時間を短縮でき、省サンプル、省溶媒で測定できます。
図 クッキングオイルの測定 |
参考資料
ジャスコエンジニアリング 組立セル(MagHoldIR)
日本分光 FTIRの基礎(5) 簡単、便利!FTIR測定のコツ