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2013年8月21日水曜日

光のふしぎ(21)日焼け止め その2

今回は、分光光度計によるSPF測定について記します。

SPF測定には専用のSPFセルを使います。20μm厚で試料を塗布できるようになっており、これに測定光を照射し、拡散透過した光を測定することで、SPF相当値を算出します。

図 SPF測定用のセル(これを分光光度計で測る)

SPF・PA値は専用の計算プログラムで算出します。細かい計算に関しては、ここでは言及しませんが、試料の日焼け止めクリームがどれだけ紫外線透過を防いだかを測定しています。図にSPF・PA値の異なる日焼け止めクリームの透過率測定の例を示します。値が高いものほど、紫外線透過を防いでいることが分かります。

図 日焼け止めクリームの拡散透過率

【参考】
SPF/PA値評価システムによる日焼け防止化粧品の評価
UHPLCによる日焼け止め中の紫外線吸収剤分析
分光光度計を用いたサンスクリーン剤のSPF/PA値の評価

2013年7月31日水曜日

光のふしぎ(20)日焼け止め その1

前回、日焼けの原因となる紫外線の話をしました。今回は日焼け止めの話をします。

一般に販売されている日焼け止めクリームには、紫外線散乱剤紫外線吸収剤を含んでいます。紫外線散乱剤は酸化チタンや酸化亜鉛が、紫外線吸収剤には、オキシベンゾンやメトキシケイヒ酸オクチルなどの合成化合物が使われています。最近では肌にやさしい、天然由来のものも見られます。

紫外線散乱剤である酸化チタンや酸化亜鉛を皮膚に塗ると、紫外線が皮膚に届く前に、散乱、反射されます。これにより、紫外線から皮膚を守ることができます。一方、紫外線吸収剤であるオキシベンゾンやメトキシケイヒ酸オクチルは、構造中にベンゼン環や二重結合を持ち、紫外線をよく吸収し、皮膚を守ります。

日焼け止めクリームには、紫外線防止効果の大小により、SPF(Sun Protection Factor)、
PA(Protection Grade of UVA)、の値が記されています。ここでは、SPF値のみ説明します。

図 皮膚パッチテストイメージ

SPF値は、被験者による皮膚パッチテストを行うことで算出します。
人工太陽灯による照射で、

20μm厚で塗布した場所-最小紅化時間(tx)塗布しない場所-最小紅化時間(t0)

で算出できます。つまり、SPF50となっていれば、皮膚が紅化する時間を50倍遅くさせることができるということです。

次回は、SPF値を分析機器で測定する方法を紹介します。

2013年7月17日水曜日

光のふしぎ(19)日焼け

本来はこの時期、スキー焼けの方も見られますが、今年は少ないですね。
今回の話題は「日焼け」です。主に夏のビーチ等で起こります。


日焼けの原因となるのは、太陽光の紫外線です。
紫外線には、波長により

A紫外線(UV-A波):320~400nmの光で、真皮まで達し、黒くなる日焼け。
B紫外線(UV-B波):280~320nmの光で、真皮に達っしない。赤くなる日焼け。
C紫外線(UV-C波):280nm以下の光で、オゾン層に吸収され、基本的には地上に達しない。DNAに損傷をもたらす。

の三種類があります。

私も経験がありますが、日焼けした後、皮膚が赤く痛くなるのがサンバーンといわれるもので、B紫外線が原因です。紫外線が表皮を透過し、内部の毛細血管が炎症反応を起こすことで赤くなります。やけどのような症状で、皮膚がんのリスクが高くなるといわれています。

一方、A紫外線はメラノサイトにメラニン色素の生成を促すことで、皮膚を黒くします。メラニン色素は紫外線を吸収し、皮膚がダメージを受けるのを防ぎます。肌は黒くなりますが健康的な日焼けで、サンタンいわれます。しかしながら、紫外線は真皮に影響を及ぼすので、しわ、しみの原因になります。

来週は、この紫外線から身を守る日焼け止めについて解説します。
分光光度計が活躍します。

2013年6月26日水曜日

光のふしぎ(18) 孔雀(くじゃく)

前回のホタルの発光は、
オスがメスにプロポーズするための行動でした。

同様な行動に、
オスの孔雀が派手に羽を広げるというものがありますが、
これもメスへの求愛によるものです。

オスの孔雀の羽は大きく、非常に派手です。
目玉のような模様に、
エメラルドグリーン、コバルトブルーのキラキラした色が
羽全体に広がっています。
この色は、カメレオンのように色素による色ではありません。

孔雀の羽を電子顕微鏡で見ると、規則的に並んだ非常に小さな粒が見えます。
これはメラニンの粒で、光の波長以下(数十から数百nm)の間隔で並んでいます。

この羽に光が当ると、干渉という現象が起こります。
コンパクトディスクの記録面がキラキラしているのや、
宝石のオパールがキラキラしているのと同じです。

光を反射する際、表面の凹凸により
ある波長(色)の光を強めあい、
ある波長(色)の光を打ち消しあう、
そのため、特定の色の光のみ見えるという現象です。
(角度や凹凸の大きさが変われば、強めあう波長、色が変わります。)

この現象を光の干渉、
光の干渉によって出る色を構造色といいます。

アワビなどの貝類の内側や、ある種類の蝶がキラキラしているのも
この構造色によるものです。






2013年6月11日火曜日

光のふしぎ(17) ホタルのひかり

最近ではずいぶん少なくなってしまいましたが、
東京でも、青梅から奥多摩のあたりでは見られるようですね。

今回は夏の夜の風物詩、ホタルのひかりについて取り上げます。

ホタルが発光するのは、オスとメスがプロポーズするためです。
では、ホタルはどのようにして発光しているのでしょうか?

ホタルの発光機構に関しては研究が進んでいて、発光基質であるルシフェリンがルシフェラーゼの触媒作用によってATP(アデノシン三リン酸)と反応し、生じた中間体がさらに反応をすすめ、発光体であるオキシルシフェリンを生成します。オキシルシフェリンはエネルギーの高い不安定な状態にあり、分解して基底状態へと変化し、光を放出します。

ホタルの発光効率は、蛍光灯の2倍以上高いといわれています。蛍光灯に比べ、熱として放出されるエネルギーが少ないためだそうです。熱に逃げない分、より明るく光ることができます。

愛の力は偉大ですね!

2013年5月29日水曜日

目のしくみ、その2(16)

前回のつづきです。

光を電気信号に変換する視細胞には、感度は高いが色を識別できない桿体細胞と、感度は低いが色を識別できる錐体細胞があります。この2種類の視細胞によって、網膜に写る物体の色や形を認識します。

図 網膜の構造

桿体細胞にはRhodopsinという化学物質が存在します。RhodopsinはRetinalとOpsinという部分から構成され、Retinalが光によって変化します。この構造の変化を脳が認識し、物体を見ることができるのです。


図 レチナールの構造変化

色が認識できる錐体細胞には、iodopsinという化学物質が存在します。iodopsinもRetinalとOpsinからなる構造を持ちますが、Opsin部分がそれぞれ異なります。iodopsinにはopsinの構造の異なる3種類が存在し、それぞれ赤・緑・青の光を感じることができます。この3種類の錐体細胞が受け取った刺激から、脳が何色なのかを判断します。

では、赤、緑、青以外の色はどのように認識するのでしょうか。例えば、黄色の光の場合、赤と緑の錐体細胞が刺激を受けます。すると、脳はその光が黄色であると判断します。そのため三原色を混ぜると、中間色が見えるのです。黄色以外の中間色も同様に色を判断します。

私たちは赤(R)・緑(G)・青(B)の光を主に感じる3つのセンサーで色を見ているのです。




2013年5月15日水曜日

目のしくみ、その1(15)

目は図のような構造をとっています。

カメラの構造と良く似ていて、水晶体(レンズ)、毛様体(絞り)、黄斑(センサー)を持っています。

図 目(上)とカメラ(下)の構造

人の目は、虹彩によって瞳孔から入ってくる光の量を調整します。次に、毛様体が伸縮することで、水晶体の厚さを調整し、網膜の中央(黄斑)にピントを合わせます。黄斑は、モノを見るための視細胞が集まっていて、光の色や明暗を識別することができます。

視細胞では、光を電気信号に変換し、視神経を通して電気信号を脳に伝達します。
この信号を脳が解析することで、物体を認識することができます。

視細胞の機能、役割については、次回詳しく説明します。


2013年5月2日木曜日

光のふしぎ(14) 遮熱フィルム

最近では、冬でも夏でも「節電、節電」と言われることが多くなりました。

ちょっと先の話になりますが、
夏には省エネグッズとして、ネッククーラーや扇風機、涼しくなるシーツが販売されます。
そのなかで、今回は、窓に張る「遮熱フィルム」を取り上げます。

太陽の光が暖かく感じるのは、主に赤外線によるものです。
こたつや電気ストーブにも使われているのでイメージがしやすいですね。
(もう少し詳しく説明すると、身の周りの物質は赤外線を吸収しやすく、
赤外線が物質に照射されると、物質を構成する分子が振動、摩擦熱を生じることで暖かくなります。)

この赤外線を選択的にカット(反射、吸収)し、透過率を下げることで太陽からの熱を遮断しています。

また、似たような効果があるものとして、断熱シートやペアガラスといったものがあります。遮熱フィルムとは仕組みが全く異なり、間にできる空気の層が、熱を伝えにくく(熱伝導率が低く)して、外の温度を伝えにくくしています。





2013年4月17日水曜日

光のふしぎ(13) CD、DVD、Blu-ray Disc

ここ20年の間に、光ディスクは
CD、DVD、Blu-ray Discと進歩してきました。

これに伴い、記憶できる容量は大幅に増えました。
音楽だけでなく、今では高画質な映像も一枚のディスクに保存ができます。

しかしながら、基本的な原理は変わっていません。

光ディスクは、
円盤上に微小な窪み(ピット)を作ることで情報を記録しています
(平面部分はランドといいます。)

光ディスクにレーザー光線を照射すると、

ピットとランドの境界では反射率が変化し(1の信号)、
境界以外では反射が変化しません(0の信号)。

この違いをセンサーで読み取って、記録した情報を再生します。

CDでは、ピットの幅が0.9μm、
DVDでは、ピットの幅が0.4μm、
Blu-ray Discでは、ピットの幅が0.15μmとなっており、

それに伴い記憶容量も飛躍的に向上しています。

2013年4月3日水曜日

光のふしぎ(12) リモコン

私たちがよく使っているテレビなどのリモコン、
これも、目には見えない光が活躍しています。

リモコンの先にはLEDがついていて、ここから赤外線を発します。
この赤外線を本体が受け取って、操作ができます。

発せられる赤外線は、
操作するボタンによって点滅のパターンが変わります。

このパターンをよみとって、
チャンネルを変えたり、音量を大きくすることができます。

また、他のリモコンによる誤作動を心配する方もいるかもしれませんが、
国内メーカでは、信号のルールを決めています。
例えば、エアコンのリモコンでTVが動くといったことはないようです。



2013年3月19日火曜日

光のふしぎ(11) 艶(ツヤ)

普段何気なく見ている
食品、テレビ、プラモデル、写真、髪の毛に至るまで、
ツヤを出す、消すといった工夫がされています。

ツヤというものは、表面の平滑さに依存します。

表面が平滑であれば光を正反射し、色がハッキリ見えます。

一方、表面がザラザラであれば光を散乱するため、色は(特に黒色は)ぼやけますが、
正反射が抑えられるため、うつりこみを防ぐことができます。

液晶テレビでは、

・色をハッキリさせて画面が綺麗に見えるグレア液晶
・うつりこみ少なく、長時間の作業でも目が疲れにくいノングレア液晶

といった2種類が販売されています。


2013年3月6日水曜日

光のふしぎ(10) カメレオン

体の色を自在に変化させる生物として認識されているカメレオン、

体色の変化は確かに起こりますが、
実際のところ、まわりの色に合わせて七変化というところまではいかないみたいです。

カメレオンの皮膚には、黒色、黄色、赤色、白色といった色素があります。
これらが、ホルモンの働きにより細胞全体に分散、混合することで様々な色を出しています。

外光の影響を受けて体色変化することもありますが、
実際のところ、
感情、温度、体調などによって体色変化することが多いようです。
(カメレオンの種類にもよります。)


2013年2月20日水曜日

光のふしぎ(9) 偏光グラス

釣りやスノーボード、テニスなどで売られている、ちょっと高価なサングラス、今回は偏光グラスについて取り上げます。

一般的なサングラスは、目に入る光の量を減らし、眩しさを抑えるというものです。偏光グラスは、それに加えて、水面、雪面などで乱反射する光をカットし、見えやすくするというものです。水面や雪面等の界面に光が当ると、透過する光以外に反射が生じます。これが原因で、水面下の様子をうつす透過光と混ざって、見えにくくするのです。

水面等で起こる反射は特殊で、フレネル反射といい、表面に対して水平方向の偏光成分のみ反射するという特徴があります。偏光グラスは水平方向の偏光をカットするようにできているので、乱反射は目に入りません。

一方、水面下からの透過光は、水平だけでなく垂直方向の偏光成分も含まれているため、
偏光グラスを通して見ることができます。


これにより、水面下からの透過光(水中にいる魚の様子)だけをクリアに見ることができるのです。

■参考
紫外可視分光光度計の固体測定テクニック

2013年2月6日水曜日

光のふしぎ(8) マジックミラー

車のガラスなどで、車内からは見えるけど、車外からは見えないものってありますね。今回は、マジックミラーについて取り上げます。

構造としては単純で、板ガラスなどの透明な基板に、銀やすずなどをある程度薄くメッキしたものです。薄くメッキすることで、透過光と反射光の両方が生じます。

明るい場所(車外)から暗い場所(車内)へと、このガラスを覗き込むと、暗い場所の様子は見えません。明るい場所からの反射光が多く、暗い場所からの透過光が少ないため、主に反射光が見えるからです。一方、暗い場所(車内)から明るい場所(車外)を見ると、外の景色が見えます。明るい場所からの透過光が多く、暗い場所からの反射光が少ないため、主に透過光が見えるからです。

図 マジックミラーのしくみ

つまり、マジックミラーは暗い側から明るい側を見ることができ、明るい側から暗い側を見ることができないものです。常に、片側から見えるというものではありません。家の窓材としてマジックミラーが使われにくい理由は、夜中は外からは明るい建物内が見え、反対に建物内から外が見えなくなるからなんですね。

反射光と透過光を分けるものは、分光光度計でも使われています。試料側と参照側の光を分ける際に、このようなミラー(ビームスプリッター等と呼ばれる)が使われることがあります。







2013年1月23日水曜日

光のふしぎ(7) 近視とその矯正

今回は、近視について取り上げます。

近視は近くのものは見えるが、遠くのものがぼやけるといった症状で、
遠くの光に対して像が網膜よりも手前で結んでしまうものです。
(人間は網膜で、光の信号を受け取ります。)

原因として、
TVやパソコンなど近くのものを長時間見続けたため、
「しぼりの機能を果たす毛様体が緊張し、水晶体が厚い状態から薄い状態へ戻らなくなる」
「眼軸長が長くなってしまう」
といったことがいわれています。

この状態を矯正するために、
光を広げ焦点を合わせる眼鏡やコンタクトレンズが使われてきました。
凹レンズが、焦点の位置を網膜に合わせるのです。

また、最近ではレーシックという矯正方法が行われています。

レーシックは、角膜を削り、形を変えることで屈折率を調整し、網膜に焦点を合わせる技術です。
削った角膜が矯正の役割を果たします。









2013年1月9日水曜日

光のふしぎ(6) オーロラ

人生で一度は見てみたい神秘的な光、
今回はオーロラについて取り上げます。

太陽は、不定期に太陽風といわれるイオンと電子(荷電粒子)を放出しています。
その太陽風の粒子が地球に到達し、空気中の酸素や窒素にぶつかって光る現象がオーロラです。
電子を蛍光塗料にぶつけ、発光させるブラウン管テレビの原理と同じですね。

オーロラは北極や南極の近くでよく見られます。
これには理由があります。

地球は大きな磁石であり、磁場があります。
荷電粒子は、磁場の影響を受けるため、大部分は地球を避けるようにして通過します。
しかし、荷電粒子の一部は磁場の隙間がある、
磁極(北極、南極)から少しずれた辺りに飛びこむのです。

オーロラは、高度により色が変わります。
酸素は、電子によって励起されると赤、緑に発光します。
窒素は、電子によって励起されると青、赤に発光します。

高密度の酸素が存在する500~250kmの高度では赤
酸素と窒素が混ざりあう250~100km付近では赤、青、緑が混ざって緑白色、
窒素の濃度が高い100km以下では、青、赤が混ざって、紫やピンクに見えます。





2012年12月19日水曜日

光のふしぎ(5) 虹

ニュートンが万有引力の法則を発見したのは非常に有名ですが、
実は、ニュートンは光学にも詳しく、虹が7色だと示したのも彼です。

彼は、無色の光をプリズムに通すと赤から紫まで連続的に変化する
光の帯が表われるのを実験で示しました。
この現象を光の分散といいます。

太陽や電灯の光はたくさんの色の光が集まったものです。
光の三原色、赤、緑、青を混ぜると白色の光が出来ることからも想像がつきます。

光の色の違いは波長(厳密には周波数)の違いであり、
赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の順に波長がだんだん短くなります。

屈折率は、波長が短い光ほど大きくなるので、プリズムに無色の光を通すと、よく屈折するのが青い光、あまり屈折しないのが赤い光と色ごとに光が分かれるのです。

では、本題の虹に入りましょう。

雨が降ったあとの空には、たくさんの小さな水滴が浮かんでいます。太陽の光が水滴にあたると、表面で屈折し水滴の中に入ります。その光は水滴の中で反射し、再び水滴の表面で屈折して外へ出ます。



屈折のしやすさは色によって異なり、赤い光は約42度、紫の光は約40度の方向に分散します。これが虹(主虹)ができるしくみです。

また、水滴の中で2回反射が起こる場合もあります。分散する角度が異なり、赤い光は51度、紫の光は53度になります。この虹を副虹といい、主虹とは色の並び順が逆になり、ぼんやりと見えます。

ちなみに、水滴の中で3回以上反射する光は、光がかなり弱くなるため、見ることができません。

2012年12月5日水曜日

光のふしぎ(4) 蜃気楼

夏の暑い時期に地面に見える水溜り、
近づいてみると、そこに水溜りはない。

これは蜃気楼(正確には下位蜃気楼、通称逃げ水)という現象です。

夏のアスファルトは太陽の光に照らされて、
地面の近くは非常に高温になります。
(地面から離れるほど、温度は低くなります。)

光は密度の高い(温度の低い)方に曲げられて進む性質があるため、
下に向かう光の一部が地面を避けるようにして上に向かいます。
人は、曲げられた光でも像の写る方向に物体があるように錯覚します。
そのため、光の延長戦上、地面の下に大気の像が見えます。

あたかも上方の景色を反射した水溜りがあるように、
屈折した光の像が地面に見える。

これが、近づいても存在しない水溜りの正体です。

2012年11月21日水曜日

光のふしぎ(3) 雷

悪いことをしたときに親から落ちるもの。
それは「親父のかみなり」
最近では、少なくなってしまったかもしれませんね。

今回のテーマは雷です。
まずは、その発生のしくみから解説します。

雷は雲から発生します。
雲は非常に微小な水滴(水蒸気)ですが、
温度の低い上部では氷の粒、
温度の高い下部では水滴として存在します。

上部の氷の粒はその重さで落下しますが、
地表の温度が高いと、上昇気流が生じ、舞い上がります。
舞い上がった氷の粒は水蒸気を付着し、
さらに大きな氷の粒になります。
この上昇、降下する氷の粒が互いにこすれあうことで、
静電気が発生します。

雷雲は一般的に、
上部が+、下部が-に帯電します。

雷雲が地面に近づくと、
静電誘導が起こり、地面が+に帯電します。
雷雲下部の-と地面の+が大きくなったところで
地面に放電します。

これが雷です。

雷自体は非常にエネルギーが高く
(温度は2~3万℃)、
近くで見ると、青白い光になるそうですが、

離れた場所だと、
波長の短い青い光は、空気中の塵や埃に吸収、散乱されて、黄色い光に見えます。

このため、雷はしばしば黄色く表現されます。












2012年11月7日水曜日

光のふしぎ(2) 青空、夕焼け

前回では、太陽について解説しました。
今回は、その続きにあたります。

太陽の光をプリズムに通すと、何色もの光に分かれます。
これは、太陽光が空気とは屈折率が異なる媒質を通ったことで、
波長ごとに光が分かれたことを意味します。
このように、太陽の光は様々な波長の光が混ざったものです。
(太陽光のスペクトル、下図)


波長が短い光ほど散乱しやすい。(青い光)
波長が長い光ほど散乱しにくい。(赤い光)

晴れた日のお昼に青空が広がるのは、太陽光に含まれる波長の短い青色の光が大気中の気体分子で散乱するからです。



大気中にはたくさんの気体分子があるので、幾度とない散乱を繰り返します。空いっぱい広がった光が眼に届くので、青く見えるのです。

一方、夕方になると、光は地平線の近くから、大気中を長い距離進んできます。そのため、波長の短い青い光はそのほとんどが大気中で散乱し、地表に届かなくなります。

一方、波長の長い赤い光は、大気中で散乱されることなく地表に真っ直ぐ届きます。そのため、夕焼けの空は赤く見えるのです。