2013年2月6日水曜日

光のふしぎ(8) マジックミラー

車のガラスなどで、車内からは見えるけど、車外からは見えないものってありますね。今回は、マジックミラーについて取り上げます。

構造としては単純で、板ガラスなどの透明な基板に、銀やすずなどをある程度薄くメッキしたものです。薄くメッキすることで、透過光と反射光の両方が生じます。

明るい場所(車外)から暗い場所(車内)へと、このガラスを覗き込むと、暗い場所の様子は見えません。明るい場所からの反射光が多く、暗い場所からの透過光が少ないため、主に反射光が見えるからです。一方、暗い場所(車内)から明るい場所(車外)を見ると、外の景色が見えます。明るい場所からの透過光が多く、暗い場所からの反射光が少ないため、主に透過光が見えるからです。

図 マジックミラーのしくみ

つまり、マジックミラーは暗い側から明るい側を見ることができ、明るい側から暗い側を見ることができないものです。常に、片側から見えるというものではありません。家の窓材としてマジックミラーが使われにくい理由は、夜中は外からは明るい建物内が見え、反対に建物内から外が見えなくなるからなんですね。

反射光と透過光を分けるものは、分光光度計でも使われています。試料側と参照側の光を分ける際に、このようなミラー(ビームスプリッター等と呼ばれる)が使われることがあります。