2012年2月17日金曜日

HPLC分析のコツ(3) ODSカラムの長期保存


▼干物か缶詰か
ある日の午後、私とLC応用開発の某氏と、
今回のテーマである「ODSカラムの長期保存方法」について話をしていました。
(以下、私:私、LC応用開発某氏:某、営業イチョカミ:イ の略)









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私:やっぱ干物やで。

某:そうかなぁ、缶詰だと思うけど。


と話をしているところへ、営業のイッチョカミ氏が、2人の話に入ってきました。

イ:そりゃ冷凍に決まっとるがや。え~か、こういうの僕詳しいの。
と言うなり、彼は冷凍食品の便利さを説明しはじめました。電子レンジでチンするだけだとか、
最近はフライもオーブントースターで簡単に作れるとか。
こののメーカーの何がおいしくて、何がおいしくないかとか。

私:あのなイっちゃん、ぼくら何話していたか知っている?

イ:知らん。

私:あのね、今、ODSカラムの保存方法について話をしてたの。

イ:ふ~ん。そうか、じゃまして悪かったなぁ。

と言って、彼はさっさと帰ってしまいました。

某:でも、イさん、冷凍食品のこと本当に詳しいね。

私:うん、何や、イさんの奥さん、しょっちゅう実家に帰るから自然と覚えてしまったらしいんやて。

某:ふ~ん。独身でよかった。 私:ほんでな、ODSの保存方法やけど、やっぱ、
アセトニトリルで洗ったあとは、メイルプラグもしないでほっといて、
中を乾かした方がええと思うんや。ODSもはがれんし。

某:そりゃ、ODSがはがれないということなら、干物の方がいいと思うけど、
カラムに「す」がはいったりしない?
やっぱ溶媒が乾かないようにキチッと栓をした缶詰法がいいと思うよ。

私:お前、若いくせに頭古いな。わし、何本もこうやって干物にしているけど、問題ないぞ。

某:そうかなぁ、でもどこのカラムの取説にもそんな事書いてないよ。うちのにも書いてないじゃない。

私:そうや。そやからどないした言うねん。

某:だからさ、本当に干物でいいの。そんな事、こんな公式のみんなが見ている文章に書いていいの?

私:...そ、そこや問題は。経験的には、干物の方がええんやけどな、データはないし。
そんな実験やるのも面倒だし、時間も ないし。う~ん。

某:ほらほら、自信ないんじゃない。

私:こいつぅ、腹立つやっちゃな。自信はあるわな。ただデータがないゆうとるだけなんや。データがな。

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天の声
「こらぁ、いいかげんな話をしているんじゃない。これを読んだ人が干物法で、
カラムを壊したらどうするんだ。データをちゃんと  出しなさい。苦情が来たら、給料から天引きするぞ。」

私:でも時間かかるしぃ。1年以上、検証してみないと...

天の声
「時間をあげましょう。1年なり2年なり、好きなだけ検証して、
ちゃんとしたデータを出しなさい。ここで、こんな話を持ち出 したんですから、
最後までやってもらいます。」

私:げっ、とんだやぶ蛇になってしまった。

というわけで、この結果は次項で紹介します。

JASCOサイト内検索をご利用ください

弊社のホームページに掲載されている情報を探したいとき、下図のJASCOサイト内検索のページ「日本分光ホームページ検索」でキーワードを入力し、検索していただくと便利です。


この検索ページは、http://www.jasco.co.jp/jpn/search.htmlをクリックして頂くか、日本分光トップページの上部にある「サイト内検索」をクリックして頂くと、表示することができます。



今後もお客様のご意見やご要望を参考に、ホームページの更新を重ね、コンテンツの充実を図り、適時に情報を発信するようしてまいりますので、 引き続きご愛顧の程宜しくお願い申し上げます。

2012年2月6日月曜日

HPLC分析のコツ(2) カラムは「なまもの」?

▼はじめに
生物ですのでお早めにお召し上がりください。という土産ものについている注意書きを読んで「げげっ、この中に何か生き物がはいってとんのか、そりゃ早よ食べないかんわな。こんなもん、長いことおいといたら、エサもやらないかんし、逃げ出しでもしたらたいへんやし。でも、ちょっと待てや。こんな中に生き物なんてはいっているはずないで。あっ、そうか、これ、なまものって読むんか」なんて経験はありませんか。私はわかっていても度々こういう勘違いをしてしまいます。これは、生物を「せいぶつ」と読んでしまい、せいぶつ=生き物と考えてしまうことによるものではないかと思います。この生物をせいぶつと読んでしまうのは、受験勉強の「生物」で苦労したその後遺症ではないかと考えるのであります(生物の先生ごめんなさい)。




▼カラムの消費期限
「購入したカラムは早めにお使いください。」

というお話が今回の題材です。最もよく利用されているODS カラムを例にとって説明します。カラムの多くは、カラム検査に用いた移動相(アセトニトリル:水など)で満たされた状態で出荷されます。これは、カラムにとって理想的な保存状態であるとは言えません。長い目でみるとカラムによっては、徐々にシリカゲルと結合しているODS基が、はがれていくものもあります。従って、購入直後のカラムと長期保存(半年から1年以上)してあったカラムでは、充填剤の状態が違ってくることがあります。当然、保持時間や分離挙動も変わってきます。従って、購入したカラムの性能を十分利用して頂くためには、早めに使用していただくのが一番よいのです。

それじゃあ、「使い終わったカラムの保存方法は?」と疑問を持たれた方もいるかと思います。次回はそのあたりをお話したいと思 います。