2012年3月28日水曜日

HPLC分析のコツ(6) ステンレス配管の内径と使い分け

今回のお話は配管と内径の使い分けです。
HPLCに使われているステンレス配管の外径は、1/16インチ、約1.6mmで共通です。
しかし、内径は、0.1~1.0mm と様々な大きさがあるのを知っていました?

ただし、大抵の場合は、0.25と0.5mmの2つが主に使われています。
2種の使い分けは

「試料の流れるところは、内径0.25mmのものを使い、試料の流れないところは内径0.5mm のものを使う。ただし、検出器を出てからは内径0.5mmでよい」

ということです。簡単ですね。
もちろん、納品時にはこうなるように組んであります。

「装置を移動したら、ピークがブロードになった」

というトラブルの原因のほとんどは

「インジェクターからカラムの間が太い配管になっていた」

というものです。
図 HPLCシステムと配管の内径

また、次のような場合も気を付けてくださいね。

検出器を複数台直列に接続して測定する場合、例えば、UV検出器とRI検出器とか、の場合は、1台目の検出器から2台目の検出器の間の配管は、内径0.25mmにしてくださいね。1台目から2台目の間の配管でピークが、拡がってしまうことがあります。

お心あたりの方は一度配管の内径をチェックしてみてください。

「セミミクロや分取の場合はどうなるかですって?」

忘れてました。ごめんなさい。

セミミクロ(カラム内径 1~2mm)の場合はカラムと検出器の間は内径0.1mmの配管を使います。

オートサンプラーまたはインジェクタとカラムの間は 0.1mmを使います。
このときは配管の目詰まりに注意しなければなりません。

ピークのカラム外での拡がりに注意しましょう。もちろん、オートサンプラーやインジェクタ-は、セミミクロに対応しているものを使用してくださいね。
 
分取のときは、太めの配管を使えばいいのです。
分離ということを考えると、0.25mmがいいのですが、流速が早くなるので配管での圧力が高くなってしまうため、太めの配管を使わざるを得なくなります。

分取というとカラムサイズ、流量も幅広いので

「これだ」と決めるわけにはいきません。

内径0.5~1.0mmの配管をシステムに合わせて使う必要があります。

2012年3月26日月曜日

ピックアップ食材!<豚肉>/社員食堂の栄養士さんから(4)

炒めものや煮物、揚げ物、蒸し物など様々な調理で食される豚肉。栄養的にはビタミンB1の含有量は食品の中でもトップクラス!他にもたん白質、カロテン、ビタミンB2Eなどを含み疲労回復や倦怠感がある時に積極的に摂取したい食品です。玉ねぎ、ねぎ、にんにくといったアリシンの含まれるものと一緒に摂取するとビタミンB1が体内でより吸収しやすいのでオススメですよ。

調理する際には必ず中まで完全に火を通すようにして下さいね。
購入する時は、肉色が淡いピンク色でツヤがあり、なめらかなものを選ぶようにしましょう。

2012年3月19日月曜日

ピックアップ食材!<こんにゃく> /社員食堂の栄養士さんから(3)

ノンカロリー食品としても知られるこんにゃく。

こんにゃく芋を原料にして作られ、約96%は水分ですが、水分以外はグルコマンナンと言われる成分が主になります。食物繊維が豊富なので、便秘予防やコレステロール低下、血糖濃度低下作用が期待できます。

利用法としては、田楽やおでん、金平、和え物など色々ありますが、刺身こんにゃく以外は下ゆでしてアクや凝固剤の水酸化カルシウムを除くのがおいしく調理するポイントです。

購入する時は、適度に弾力のあるものを選ぶようにしましょう!

では、また来週。

2012年3月16日金曜日

HPLC分析のコツ(5) サンプルループのお話

今回はサンプルループの話です。

「実際のループの容量には、規格の値の±10%の誤差があります。」
具体的には、「20μL と表示してある サンプルループの容量は、18~22μLのバラツキがあります。メスフラスコのように一定容積になっていませんから、注意してください。」ということです。

例えば、検量線を作るのに20μLのループを使ったところで、5、10、20μLの試料を注入したとすると、20μLのところで、予想よりも値が小さくなることがあります。理由は明らかですよね。このように、シリンジ注入で使う場合は、ループの容量の50%を最大注入量の目安にすると良いでしょう。
ループ注入というのは、極めて再現性の良い注入方法ですが、注入絶対量は正しくありません。また、 同じ試料でも、装置毎にピークの面積や高さは異なります。これも、サンプルループ 容量の個体差に基づくものなのです。

では、なぜこのような誤差が生じるのか。これは、ループの作り方に原因があります。

(内径×1/2)2×3.14×長さ

サンプルループ(200μL)
で、ループの内容量が決まります。あとは、決められた長さで配管を切って、 サンプルループに仕上げていきます。 問題は、ステンレス配管の内径の精度です。これは、内径に関係なく、0.03mm(1/1000インチ)ですので、0.5mm配管では±10%、0.76mm配管では±7%、0.3mm配管では17%の誤差が生じます。

ループ容量と内径の関係は、20~100μL(0.5mm)、200~1000μL,2000~5000μL(1.0mm)となります。

2012年3月15日木曜日

日本分光ホームページ検索

日本分光ホームページ検索を使うと、日本分光ホームページのサイト内検索を行うことができます。


キーワードを入力して、検索ボタンを押すと、検索結果が表示されます。検索ボタンの下のリンクをクリックすると、そのキーワードの検索結果が直接表示されます。



是非、一度、ホームページ検索をお試しください。

2012年3月12日月曜日

今が旬です!<ニラ> /社員食堂の栄養士さんから(2)

 青味としてもおなじみのニラ。にんにくと並ぶ代表的なスタミナ食品です。

ニラの特有の香りは硫化アリルによるもので、この成分は整腸作用やビタミンB1の吸収を高めて新陳代謝をよくする働きがあります。またカロテン、ビタミンB1・B2・C、カリウム、カルシウム、リン、鉄などを含みます。

調理法としては炒め物、汁物、卵とじ、和え物などがありますが、加熱しすぎないのがおいしく食べるポイントです。

購入する時は葉の緑色が濃く、しおれていないものを選ぶようにし、傷みやすいので出来るだけ早めに使い切るようにしましょう。

では、また来週。

2012年3月8日木曜日

PITTCON2012

日本分光は、2012年3月11日から15日まで米国オーランドで開催されるPITTCON 2012に出展いたします。

BOOTH

1407, SR03

PRESS CONFERENCE

ROOM:  ROOM 303 ABC
DATE:  Tuesday, March 13, 2012
TIME:  9:00 AM TO 9:30 AM
Preparative SFC Solutions from JASCO 

PITTCON 2012 公式サイト

2012年3月5日月曜日

今が旬です!<菜の花> /社員食堂の栄養士さんから(1)

日本分光の社員食堂はお客様から美味しいと評価して頂くことが少なくありません。それは、きっと食堂の従業員の皆さんが、毎日、心をこめて料理を作っているからではないかなと思います。そこで、献立を決めている栄養士さんに、食材や栄養の記事を書いてもらいます。本日から、週に1度を目安に記事を投稿いたします。

第1回目は「今が旬です!<菜の花> 」です。



春を感じさせる野菜、菜の花。カロチン、ビタミンB1、B2、C、カルシウム、鉄分、カリウムなどを豊富に含みます。

 調理法としては和え物、煮浸し、お吸い物、炒め物、天ぷらなど様々ですが、シャキシャキ感を損なわないためにも加熱し過ぎないのがポイントです。

購入する時には茎の切り口がみずみずしく緑色の濃いもの、つぼみがしまっていて花が開いていないものを選ぶようにしましょう。

その日に食べないものは湿らせた新聞紙かキッチンペーパーに包んで冷蔵保存するようにしてくださいね。

では、また来週。

<関連情報>
醤油中の有機酸およびサラダ油中の低級脂肪酸の分離(220009H、HPLCアプリケーションデータ)
アプリケーションデータ一覧、資料請求

2012年3月1日木曜日

HPLC分析のコツ(4) ODSカラムの長期保存-結果報告

前回、「缶詰対干物」と言う力ラムの保存方法について書いたことを覚えていますか?
これに対して「あかん! データがないならちゃんと測定しなさい。」との命令が下りました。今回は、その報告と干物保存法の落とし穴についてです。

実際に試験をしてみました。力ラムは、一般的なODSカラム(TMS処理してあるモノメリックタイプの充填剤)を2本を使い、1本は密栓して保存、もう1本は栓をしないで保存して、約7ケ月毎に理論段数を測定しました。

缶詰力ラムは、始めた時の段数120007ヶ月後に11000に、14ヶ月後には9000まで落ちました。これに対し干物力ラムは、始めた時の130007ヶ月後で1260014ヶ月後でも12000とほぼ開始時の性能を維持していました。

ODSカラムの保存法は、干物法に軍配が上がりました。とりあえず私も約束を果たせたし、記事の正しさも証明できて本当に良かったと思ってます。

ただし、今回の実験は一つの事例です。充填剤の種類や特性、カラム内に入っている溶媒によって結果は異なります。特に、ポリマー系充填剤、GPCGFCやイオン交換カラムは、干物にするとカラムがダメになってしまうので注意してください。絶対適用しないで下さいね。

カラムの保存方法は取扱説明書に記載されていますので、記載された方法で行ってください。

さて、もうひとつお話を付け加えておきます。逆相系カラム(ODSなど)を水や緩衝液がほぼ100%の移動相で使用することがあります。このような溶媒で使用した場合、測定終了後の翌日など分析種のピークの保持が極端に短くなり、早く溶出してしまいカラムが劣化してしまったと判断することがあります。
しかし、この現象は逆相系カラムの疎水性と移動相溶媒の濡れの関係によって生じるという説が発表されています。簡単に言うと充填剤の細孔から、移動相が抜け出してしまい、その部分が分離の相互作用に係わらないことになり、保持が弱くなって、早く溶出してしまうデータとなってしまうということです。
このような場合は、一度、有機溶媒が7080%程度含まれる移動相を流すことにより、保持が回復することがあります。最近では、このような症状が発生しない、水系溶媒100%でも使用できるカラムが販売されています。

だんだん便利な世の中になってきましたね。同じ逆相系カラムのODSと言っても、様々な特徴があります。カラムの特性を良く知っておくことが、安定して測定できる良い分析条件を作ることができることにつながるんですね。