2013年7月31日水曜日

光のふしぎ(20)日焼け止め その1

前回、日焼けの原因となる紫外線の話をしました。今回は日焼け止めの話をします。

一般に販売されている日焼け止めクリームには、紫外線散乱剤紫外線吸収剤を含んでいます。紫外線散乱剤は酸化チタンや酸化亜鉛が、紫外線吸収剤には、オキシベンゾンやメトキシケイヒ酸オクチルなどの合成化合物が使われています。最近では肌にやさしい、天然由来のものも見られます。

紫外線散乱剤である酸化チタンや酸化亜鉛を皮膚に塗ると、紫外線が皮膚に届く前に、散乱、反射されます。これにより、紫外線から皮膚を守ることができます。一方、紫外線吸収剤であるオキシベンゾンやメトキシケイヒ酸オクチルは、構造中にベンゼン環や二重結合を持ち、紫外線をよく吸収し、皮膚を守ります。

日焼け止めクリームには、紫外線防止効果の大小により、SPF(Sun Protection Factor)、
PA(Protection Grade of UVA)、の値が記されています。ここでは、SPF値のみ説明します。

図 皮膚パッチテストイメージ

SPF値は、被験者による皮膚パッチテストを行うことで算出します。
人工太陽灯による照射で、

20μm厚で塗布した場所-最小紅化時間(tx)塗布しない場所-最小紅化時間(t0)

で算出できます。つまり、SPF50となっていれば、皮膚が紅化する時間を50倍遅くさせることができるということです。

次回は、SPF値を分析機器で測定する方法を紹介します。