2013年10月30日水曜日

続・HPLC分析のコツ(3) ゴーストピーク対策(フタからの混入)

オートサンプラーのサンプルビンは、様々な形状、容量、フタ(シール)を有しています。特にシールの材質、プレカットの有無は、試料溶媒を考慮して適切なものを使用する必要があります。適切ではないものを使用した場合、ゴーストピークの原因になりことがあります。

図 サンプルビンのシールの添加剤が混入

例えば、試料溶解溶媒にn-ヘキサンや酢酸エチルなどの有機溶媒を使用し、一つのサンプルビンから複数回、注入、測定を行うときは注意が必要です。

シリコン樹脂などが使用されているフタを使用した場合、これらの溶媒では、一回目の測定後にニードルの外壁に付着した溶媒がシールのシリコン樹脂に付着、溶解し、2回目の測定時に試料溶液に溶け込み、ゴーストピークとなることがあります。

このような場合、テフロン系樹脂のフタを使用することで、ゴーストピークの出現を防ぐことができます。